AdMarkeTech. Monthly 2020年4月/April 2020
毎月のニュースをまとめて取り上げる【AdMarketech. Monthly】。
ブログで取り上げなかったものの、注目に値する記事をかんたんなコメント付きでご紹介します。
2020年4月は、3月に引き続きコロナウイルスに関係しないニュースはないと言っても過言ではないほど、あらゆる分野にコロナの影響があらわれた月でした。
一方で、悲観的なニュースだけでなく、徐々に終息後の「New Normal」について具体的な提言を目にすることも増えました。この Monthly では、多くの情報が飛び交った中でも、Googleをはじめとした広告プラットフォームの動きを中心に集めています。
リンク:Updated Google Ads Benchmarks for Your Industry During COVID-19 | WordStream
まずは WordStream がいつも出している Google広告 のベンチマークレポートです。
2020年4月6日に、3月の前後3週間分の比較レポートを出していましたが、5月にも最新版にアップデートされています。
グラフを見ると分かるように、全体的に CTR が上がって CPC が下がっているのがわかります。CPC はマクロではオークションプレッシャーと負の相関関係にあるので、やはり3月以降は出稿を取り下げている広告主が多いことが一目瞭然ですね。
他のプラットフォームでも CPM は下落傾向にありますので、CTRの上昇分よりもCPCの下落分の方が大きいと見るのが自然です。トラフィック自体は増えていますので、この状況下で勝負できる業種や財政状況かどうかで判断に大きな差が出ていますね。
リンク:Marketing in the coronavirus crisis: how enterprise organisations are adapting [stats] – Econsultancy
大規模な組織がどのようにして危機に対応しているか、という Econsultancy の記事が非常に示唆的な内容でした。
特に記事の最後にある2つのセンテンスがよかったです。
この状況下で、マーケターは世界的な危機に対処するために適応し、革新のためにできる限りのことをしているように見えます。その多くが、働き方の変更、効率の維持、なんとかして自社の製品やメッセージ、ブランディングのための新しい方法を見つけようとしており、勇気づけられます。
マーケティング費用がカットされるのは今や驚くようなことではないので、今こそ企業は、これまで以上に「自社ブランドの構築」「ポジティブで価値のあるメッセージの(世界への)発信」「自社のイノベーションを顧客に届ける方法の発見」に注力する必要があります。
なお、企業のメッセージングについては以下の記事にも同様の言及があります。
≫Paid search ad copy strategies during coronavirus
・企業のミッションと広告のメッセージを合わせよう
・不確実な時だからこそ、確実で一貫したことを伝えよう
・エンゲージメント、ファネルの上部に投資しよう
リンク:List your products on Google Shopping for free - The Keyword
Googleショッピングにも大きな動きがありました。4/21にはアメリカの「ショッピング」タブへの商品掲載を無料にすると発表しています。年末までにグローバル展開を目指すとのことです。
これは、おおざっぱに言うと2019年2月に発表された件(現在の"Surfaces across Google" 日本語だと"Googleに掲載")の拡大版にあたります。前回と違う点は、既存広告主が自動で Surfaces across Google にオプトインすることになり、全世界展開されるということですね。昨年からやってたことを機に乗じて本格化する流れだと思います。
これにより、今後は無料スペースも含めてオークションプレッシャーが強くなることが想定されますので、フィードの品質向上が強く求められます。
なお、本件は以前にも記事を書いていますのでご参考ください。
リンク:Fee relief to support our news partners during COVID-19
こちらも Google のニュースです。広告主側ではなくメディア側に向けての施策ですね。
ニュースサイトが利用する Googleのアドマネージャー の利用料を数カ月分無料にすると発表しています。トラフィックが急増し維持費が増加しているものの、広告のオークションプレッシャーが下がり CPM が急落しているため、ニュースサイトは厳しい状況が続いています。
これ以外にも、ジャーナリズム緊急支援基金なども設立してエコシステムの保全に努める方針です。優良パブリッシャーは GDN の根幹ですので、ここは速度を上げて対応しているようですね。
リンク:Merkle Q1 2020 Digital Marketing Report Released | Blog | Merkle
四半期恒例の Merkle のデジタルマーケティングレポート(2020年1Q)が出ています。
個人的に面白かったのはアマゾンの以下↓の解釈です。
アマゾンの課題は他のプラットフォームとは少し異なり、簡単に解消される可能性があります。3月はフルフィルメントの制限により低迷しましたが、2Q(4−6月)には収まり、企業の投資レベルは回復するはず
リンク:SMX Next: A Virtual Event For Tech-Driven Search Marketing | June 23-24, 2020
最後に、たいへんなことがたくさんあるご時世ですが、いくつかいいことを見つけ出そうとするならば、その一つは「今後は何十万円もかけなくても世界中のカンファレンスに参加できる」ということでしょうか。
SMXに無料で参加できるなんて、意味がわからないですね…!
おそらく、あらゆる教育に関する仕組みでも急速な変革が進んでいくはずです。習慣と発見のしくみを見直すいい機会ではないかと思います。
以上、今月の【AdMarkeTech. Monthly】でした!
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それでは、来月もお楽しみに^^
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