AdMarkeTech. Monthly 2020年1月/January 2020
毎月のニュースをまとめて取り上げる【AdMarketech. Monthly】。
ブログで取り上げなかったものの、注目に値する記事をかんたんなコメント付きでご紹介します。
久々の投稿となる2020年1月は、広告業界を割と強めに揺れ動かしたあのニュースを中心に、面白い記事が揃いました。気になった方はリンク先もぜひご一読ください!
▶Forrester: Align Technology, Data & Your Organization to Deliver Value
小売事業者は顧客の嗜好性やニーズについて非常に深く理解しているが、それにもとづいたアクションがとれていない、という Bluecore/Forrester のレポート。
上層部の約8割が自社の組織が顧客の獲得へと向かっていない(つまり効果が出ていない)と考えているようです。
分かっているけど分からない、という状態は苦しいものです。デジタルマーケティングは今や多くの技の引き出しが求められる総合格闘技感のある分野になりましたが、それを1つのの企業内で展開しようとすると、商品開発のみならず人事採用から技術開発、はたまたビジョンや文化といったところまでが範囲となり、「DXェ…」となってしまいますね。過渡期はつらいよ。
▶eMarketer Pinterest and Snapchat Q4 2019 User Forecasts - eMarketer Trends, Forecasts & Statistics
Pinterest のユーザーが2019年末で8240万人に達し、ついにSnapchat超えとのこと。
Snapchat と違い Pinterest は全年齢層に幅広くユーザーを集めており、CAGRも安定しています。北米で第3位のソーシャルメディアの地位を確固たるものにしそうです。
▶Chromeの3rd Party Cookieサポートが段階的に廃止へ。その影響〜 | AdMarkeTech.(アドマーケテック)
そして、いよいよ Chrome が 3rd Party Cookieのサポートを段階的に廃止するというリリースを出しましたので、本ブログでも記事にしました。 Chrome と同じ機構を持つブラウザも対象なので、Edge なども含まれますね。
そうなると、やっぱり厳しいんじゃないか…?と向かい風が吹き始めているジャンルの1つが DMP です。
DMPs Aren’t Dead, But They Must Continue To Evolver(DMPは死なないが、進化が必要だ)や、Oversold And Overpromised: Marketers Move Away From DMPs(マーケターがDMPから離れていく)といった記事に見られるように、Cookie Sync したとして、その繋げたデータはそもそも信頼するに足るものなのか? 今後は機能するものなのか? といった根本的なところに疑義が生じているようにも見えます。
昨年から、
"With GDPR in place and CCPA looming, the DMP’s main function as a hub for third-party data has become more of a liability than an asset. "
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GDPRの導入に加えCCPAが発動すると、サードパーティデータのハブとしてのDMPは、資産というよりも負債になります。これは、ITPなどのブロックや、FirefoxとChromeでのトラッキング制限によってさらに悪化します。
などと言われていたことが、いよいよ現実のものになってきた感じがしますね。
▶Google's 'My Business Provider' program replaces 'Trusted Verifier' for GMB outreach - Search Engine Land
Googleが、マイビジネスで問題の多かったプログラム Trusted Verifier に代わり、 My Business Provider を発表しています。
一部のアグリゲーターによってローカル企業のリスティングが荒らされて多くの問題を引き起こしているため、Googleは今回のリニューアルを通じて、ホワイトリストで企業にアプローチし、同時にスパマーへのインセンティブを減らして検索や地図の精度を上げていくという狙いです。
というわけで、代理店やリセラー、SEO事業者はプログラムへの参加資格がなく、支店を多く持つような事業者が想定されています。
ただ、コメントや他記事を読む限り、全体的にみんなまだ懐疑的っぽいですね。とにかくまずは入口での承認の精度向上を望む声が多いように見えます。(結局スパマー増加は胴元の仕組みと運用のバグというのが共通理解ですし、実際にこれまでの運営はお世辞にもちゃんとしているとは言い難いです)
▶Programmatic Advertising Is Driving Rapid Growth in Mobile Video - eMarketer Trends, Forecasts & Statistics
モバイル動画広告はプログラマティックが全体の87%を占め、その半分はSNSのインフィード広告、もう半分はYouTube等の動画サイトやSNS、およびHulu等のOTT内でのインストリーム広告で占められているというeMarketerのレポートです。
なお、2019年の市場規模は199億ドルで、2020年には前年比25%増の248億ドルに達する見込みとのことですが、2月の頭に出た Google の2019年第4四半期決算で初めて明らかにされた YouTube の数値を見るかぎり、実績値の精度は若干コンサバなように見えます。
YouTubeのマストヘッドのような予約型がどれくらいの割合を占めているかによりますが、プログラマティック以外が13%であることから類推すると、YouTube内の予約型はおそらく全体の3割くらいでしょう。そうなるとYouTubeのプログラマティック分野は年間約130億ドル程度となり、eMarketerの試算だとちょっと足らなそうな気がします。(予約型が半分くらいだとちょうど合いますが)
以上、今月の【AdMarkeTech. Monthly】でした!
なお、投稿記事やニュースはFacebookページでも更新しています。よろしければご覧ください。
それでは、来月もお楽しみに^^
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