AdMarkeTech. Monthly 2019年7月/July 2019
毎月のニュースをまとめて取り上げる【AdMarketech. Monthly】。
ブログで取り上げなかったものの、注目に値する記事をかんたんなコメント付きでご紹介します。
(そもそも個別記事が書けてないので、もうちょっとがんばります…)
2019年7月は、これまでと比べるとニュースは落ち着いた印象でしたが、興味深いレポートやコラムが充実していました。 気になった方はリンク先もぜひご一読ください!
▶Google Ads Developer Blog: Google Ads API Returning to Beta
AdWordsのリブランディングに伴い、広告のAPIは Google Ads API として運用されていますが、ユーザーフィードバックから、レスポンスが遅く本番レベルに達していないと判断し、ベータに戻すとのアナウンスがありました。再本番化までは旧AdWords APIを推奨とのことです。マジですか。
リニューアルの管理画面への移行に際しては「高速で直感的なエクスペリエンス」ということで、レスポンスが早くなると喧伝していましたが、システム全体としてのパフォーマンスは難しさが残ったようです。
API は昨今のデータ統合施策の生命線ですし、ましてや広告の巨人のものとなればサードパーティ側の調整コストは莫大なものです(開発が遅かった企業がなぜか勝利)。今回のアナウンスは年間数兆円を稼ぎ出すシステムの運用としてはいかがなものかと思いつつも、こういった短期的には不利益だけれども中長期的には適切な判断ができる組織は強いなあと思うのもまた事実でして、巨人ならではの不思議な凄みを見せつけられたようなニュースでした。
▶Why Last-Click Attribution Is Killing Your PPC Performance
自動入札の恩恵を受ける際の、ラストクリックモデルの弊害について書かれた記事です。
特に、「Google広告は自動化すればするほどコンバージョンへの貢献度の割当の判断が重要になる」という指摘はそのとおりだと思います。緊急系のビジネス以外は、多くの場合ラストクリックは教師データとしてズレている可能性が高いですよね。
すぐに「バグだ!」と言う人は大抵言っているご本人の側にバグが潜んでいるように、機械学習においても目の前の設計が「Garbage in garbage out」になっていないか、今一度確認しておきたいところです。
▶New Google Shopping program enables customer photos to show with their product reviews - Search Engine Land
Googleショッピングで、ユーザーレビューと一緒にユーザー側がアップした商品の写真を含める表示方式を段階的に導入中とのことです。
まだアメリカの一部企業限定ですが、提携口コミパートナー経由で Googleショッピング側に商品レビューに合わせて写真が掲出されるような仕様のようです。GTINが存在する商品ならデータの紐付けは容易ですし、アマゾンに対しての対抗策としても非常に分かりやすいですね。
こういったリリースを見るたびに、Retail や D2C の文脈でビジネスをしている企業は、大手と対峙するのか協調するのか、あるいは離れてニッチを目指すのか、生き方のようなものが問われているんだなと思います。
▶Amazon Emerges As Google Challenger In Advertiser Perceptions SSP Report | AdExchanger
この記事はかなり面白かったです。デマンドサイドで勢いを増している Amazon が、サプライサイドでも大きくジャンプアップして、Google の Ad Manager に次いで2位に躍り出た(前回調査は8位)とのこと。
なんとなくですが、中型以上の B2C Media が、広告のインベントリとしての主戦場になりそうな予感がします(もともとなってるか…)。Google は検索面と YouTube という最強の出口を2つ持っていますので、実際のパブリッシャー獲得競争からは一段高い位置にいますが、それでもニューメディアの勃興をうまく捉えられないとかんたんに足元をすくわれる状況にいるんだなと感じます。
▶Merkle Q2 2019 Digital Marketing Report Released | Blog | Merkle
最後は、 Merkle による2019年第2四半期のマクロトレンド資料のリリースです。サマリーは以下です。
・ショッピング広告費は前年同期比38%増で、若干のペースダウンはあれど堅調
・Amazonはスポンサーブランドの伸びが顕著
・YouTubeも前年同期比43%増で各指標も好調
なお、リリース本文では特に触れられていないですが、Facebookプロパティだと Instagram が引き続き躍動中のようです。インプレッションは前年同期比+208%(約3倍)で大幅増とのこと。今後もエクスプローラタブの追加等で引き続き在庫確保は問題なさそうな見通しのようです。昨年のスキャンダルはどこへやらで、絶好調ですね。
以上、今月の【AdMarkeTech. Monthly】でした!
なお、毎週のニュースは【AdMarkeTech. Weekly】としてFacebookページにアップしています。よろしければご覧ください。
それでは、来月もお楽しみに^^
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