企業のウェブマーケティングを担当している方(いわゆるWeb担)の仕事の範囲はかなり広いです。
「これからはソーシャルの時代だ!」とFacebook やTwitter に手を出しつつも、これまでやってきた検索連動型広告、ディスプレイ広告やアフィリエイトは手を抜けないし、自社サイトの更新をしながらSEO対策をし、メールマガジンを書くそばでアクセス解析もやらなければいけません。よく使う管理画面だけでも複数あって、限られた予算とリソースの中で何をどう配分していったらいいのか、悩みは尽きないと思います。
扱うメディアやデータが増え、それに付随して業務範囲が拡がってくる中で、「他の会社のWeb担はどうしているのだろう?」とふと気になる方も多いのではないでしょうか。
Web担の本音を表したインフォグラフィック
そこで、北米の事例になりますが、西海岸のオンライン広告代理店であるWebmarketing123 が先日発表した「2011 State of Digital Marketing Report」という資料にそのヒントがあるのではないかと思いますので、紹介します。
リンク:
2011 State of Digital Marketing Report
# レポートのダウンロードには登録が必要です
この資料は、今年の8月から9月にかけて行われた500以上の北米のWeb担への調査をもとに作成されており、中でも、調査の分母にB2BのWeb担が多いことが特徴です。
実際のレポートには会社名やメールアドレス等の登録が必要ですので、ここではSearch Engine Land に引用されていた今回の調査が一枚にまとまったインフォグラフィックを以下に拝借します。
SEO への投資が大きい
個人的に面白いと思ったのは、以下の部分です。
B2B/B2C に限らず、多くのWeb担が「SEO がもっともリードジェネレーション(見込み顧客の獲得)に貢献している」と答えているようです。
特に、B2B のWeb担にいたっては全体の57% がSEOがもっともインパクトが大きいと答えています。B2Cでも41%です。この図には書いてないですが、「自社サイトへのトラフィックがオンラインマーケティングの成功を測る上でもっとも大事な指標」と答えているWeb担が多いことから、自社サイトへのアクセスのベースラインが検索エンジン経由のトラフィックで決まる、というケースが多いことが見て取れます。
続いて、現在の予算に関しての調査です。B2Bでは、全体の約3分の1 がSEOにもっとも大きな予算を割いていると答えています。北米の検索エンジン系の記事では定期的にB2Bの必勝法みたいな記事が出ますので、やはりどの国でもB2Bのオンラインマーケティング担当者は苦労している様子が垣間見れます。B2Cに比べてPPCへの支出は少ないでしょうから、相対的にSEOの予算に占める割合が大きくなることも想像できますね。
一方で、B2C ではPPC の比率が高まっているほか、ソーシャルメディアに力を入れている企業が多いことも特徴的です。
最後に、来年(2012年)の予算に関しての調査です。ソーシャルメディアの予算は増加をすると答えた企業は60% に及んでいます。もともとPPC等に比べて予算は少ないはずなので、新しい分野に力を入れる企業が増えることは想像に難くないですが、驚いたのはSEO の予算が増えると答えた企業が多く、全体の53% にも達していることです。ソーシャルメディアの60% に近いですね。
全体的にSEO への力の入れ具合が大きく、これからはソーシャルだ!と言っても、足元の取り組みや予算面ではまだまだ検索エンジンマーケティング、特にSEO への比重が大きいことが強調されていた内容でした。皆様の会社ではいかがでしょうか?
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