当ブログではこれまで何本か商品リスト広告(PLA)についての記事を書いてきましたが、2014年にショッピングキャンペーンにアップグレードされて以来、(考え方は変わらないものの)記事の記載内容が古くなってきてしまっているため、たまにやっている勉強会の資料を共有しつつ、改めてまとめ記事として残しておきたいと思います。
商品リスト広告(PLA)勉強会資料
「データフィード」という言葉が運用型広告の文脈で頻繁に登場するようになったのはここ2−3年です。データフィード自体は以前からITの分野で利用されてきた、ある意味枯れた概念ですが、Criteoのような動的リターゲティングと、Googleの商品リスト広告が着火剤となり、広告運用と結びついて語られるようになりました。(その経緯はこの記事で詳述しています)
つい先日まで、データフィード周りは、「こういうことが将来的にできるようになる」とか「こういう取り組みが始まっている」というレベルの話だったのが、2013年くらいから現実が非常に速いスピードで追いかけてきており、少し前の予測は次々と現実のものになろうとしています。
データフィードは企業の持つファーストパーティデータである商品情報/サービス情報と広告を直接結びつけるものであるため、実践には技術への理解が必要になります。純粋な技術としては特別難しいものではないので、専門の技術者が必要というよりは、技術を前提にした運用や設計について、組織的な理解があるかどうかが重要だと言えるでしょう。
実践している企業の皆さんは、この技術への理解を組織運営に適切に組入れ、リスクを適切にテイクして、Low-hanging Fruit をムシャムシャと食べていらっしゃいます。もちろん、なんでもかんでもやればいいというものではありませんが、カジュアルな挑戦が許容できる文化や体制や意思決定のスピード、そして技術へのオープンな姿勢が、データフィードを活用した広告/販促の成否を分けるポイントになるのではないかと思います。
上記のようなことを、商品リスト広告をフックにしながら勉強会資料としてまとめたのが、このスライドです。以前「データフィード広告の市場動向と環境変化【セミナー資料】」という記事で共有したスライドを改変したものですが、まだ始めていない方へ、少しでも参考になれば幸いです。
商品リスト広告に関する記事のまとめ
登場から約3年が経過した商品リスト広告は、ウェブ上でたくさんの記事を見ることができます。手前味噌を多く含みますが、商品リスト広告関連の記事を集めてみました。とりあえず迷ったらこれを読め!という感じですので、始める際はご参考頂ければ幸いです。(時折更新していく予定です)
※最終更新:2015年6月16日
商品リスト広告(PLA)の最適化について考えてみる(2013年5月)
PLA(商品リスト広告)と検索連動型広告はカニバるのか?(2013年8月)
AdWordsのショッピングキャンペーンを考える(2014年2月)
eBayの判断に学ぶ、大規模Eコマースの広告運用トレンド(2014年8月)
ショッピング向けAdSenseが拡げる、商品リスト広告(PLA)の可能性(2014年9月)
Google商品リスト広告(PLA)虎の巻
Eコマース・小売だけじゃない!他業種やオフラインへ広がるデータフィード広告の活用
Quantum Leap: データフィードマーケティングの重要性
アナグラム株式会社 | 今日から始めるGoogleアドワーズショッピングキャンペーン、スタートアップガイド【アカウント設定編】
アナグラム株式会社 | 今日から始めるGoogleアドワーズショッピングキャンペーン、スタートアップガイド【商品フィード作成編】
アナグラム株式会社 | 今日から始めるGoogleアドワーズショッピングキャンペーン、スタートアップガイド【Google アドワーズ設定編】
※余談です。
商品リスト広告を使うために必要な Google Merchant Center は、オンライン上に Google が作った、巨大な商品情報のデータベースです。Amazon MWS も同様ですが、商品リスト広告のような強力な販促と分析の機能を備えたプラットフォームが、堅牢な審査機構を保った上で、その販促の強力さ故にデータベースの更新性が担保される(マーチャントが自らデータを繋げる/差し出す)という仕組みは、一度回りだすと勢いが雪だるま式についていくので、順回転の力というのは本当にすごい、恐ろしいとすら思います。
Buyボタンような取り組みは、このデータベースの拡張性が前提になって実装される戦略です。その妥当性は議論の余地があるとしても、彼らにとっては(ビジネスの構造を担保する)販促力の強さを試すある意味局地戦みたいなものなので、その巧拙をいちいち評価することは短期的にはあまり意味がないように感じます。
「データは守るより繋げた方が利得が高い」という事実が続く限り、競合はパートナーに変わるので、孫子を引くまでもなく、極めてシンプルな強さではないでしょうか。
だからこそ、プラットフォームではない大多数の企業は、外部との疎結合が可能な環境にした上で、自分の商売にいかなる優位性があるか?という問いを続けることが、結果的にビジネスの継続性に繋がるのではないだろうか。データフィードに対する巨人たちの戦略を見るたびに、そう思います。
コメント