2014年のアドテクノロジー分野のM&Aレポート
ベンチャーキャピタルのAGC Partners が、2014年のアドテクノロジー分野のM&A(企業合併/買収)を取りまとめたレポート『AdTech M&A in 2014 and Beyond: Trends and Drivers in an Evolving Landscape』を発表しました。
リンク:AdTech M&A Update 2014 - AGC Partners
※リンク先からPDFがダウンロードできます
レポートでは、プログラマティックなディスプレイ広告が2013年から2017年までの5年間で年率約36%の成長率を示すだろうという IDC の予測のほか、モバイル広告も同様の年率35%成長を示し、2018年には全世界で730億ドル(約8.6兆円)の規模に達するだろうという Magna Global の予測(※表1)を引き合いに出し、企業買収もその勢いに合わせるように活発化していくと述べています。
実際、2014年のアドテクノロジー関連企業の M&A の件数は2013年のほぼ2倍の件数になっており、買収額も1億ドル〜4億ドル規模の案件が多くなっているとのこと。2014年の第三四半期(7−9月)は、「ポスト・ドットコムバブル」と言われた2013年第三四半期の買収総額を超えており、テクノロジー部門全体として見ても3番目に大きな市場になっていたとのことです。
「動画」と「DMP」が投資のキーワード
アドテクノロジーの中では、「動画」と「DMP」が M&A のキーワードのようです。動画は、動画広告市場の成長に伴い M&A の件数が昨年の2倍に伸びたとのことで、Facebook による LiveRail の買収や、Opera による AdColony の買収など、モバイル動画広告ネットワークがその代表例です。これまでテレビなどのオフラインに投資していた大手広告主も動画のモバイル視聴による効果測定や広告展開に可能性を感じており、広告主がついてきていることがベンダーにとっては大きいでしょう。
DMP は、ご存知の通り2014年最も
動画やモバイルなどの分野に限れば、2005年から2014年の約10年間に M&A に使われた金額は約510億ドルでしたが、2014年だけでこの分野に約150億ドルの資金が投下されており(※表2)、投資のモメンタムが加速していることが伺えます。
そのほか、レポートにはこれまでの M&A をまとめたリストや、主要企業の M&A 履歴を表すチャート(※表3)などもあり、かなり興味深い内容になっています。
レポートには一部日本の企業も含まれています。英語の文量も少ないので週末にぜひ原文をお読みになって下さい。
アドテクノロジー市場の巨人たちがどの領域を強化しようとしているのか、改めて俯瞰するよいきっかけになるのではないでしょうか!
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