Slingshot SEOのアトリビューションレポート
Slingshot SEO という北米のSEO会社が、アトリビューションモデリングに関するレポートを出しました。
Largest Study to Date on the Value of Online Marketing Channels - Slingshot SEO
http://www.slingshotseo.com/resources/white-papers/valuing-conversions-through-multi-touch-attribution/
自然検索・PPC広告・メール、ダイレクト、被リンクなど、ウェブサイトへトラフィックをもたらすさまざまなチャネルを横断的に分析し、予算配分へ活かす方法について記載されているレポートです。2,300万件という大量のコンバージョンを分析し、業種ごとのデータも公開されているほか、Google Analytics を利用した設定方法なども解説されているためか、多くの検索系メディアでも言及されています。
Multi-Touch Attribution Study Finds Organic Search Greatly Undervalued
http://searchenginewatch.com/article/2159876/Multi-Touch-Attribution-Study-Finds-Organic-Search-Greatly-Undervalued
Report: More Complex Attribution Model Shows Organic Search Significantly Undervalued By Marketers
http://searchengineland.com/report-more-complex-attribution-model-shows-organic-search-significantly-undervaled-by-marketers-115066
このレポートでは、実装方法としてまずは均等配分モデル(flat multi-touch attribution model)が推奨されていますが、先日のSearch Engine Watch に、均等配分モデルからスタートして、どういった要素をアトリビューションの評価項目に含め、それによって得られる結果の変化を解説した記事がありましたので紹介したいと思います。
均等配分を応用したカスタムクレジットモデル
Refining Your Attribution Model to Gain Clarity on Media Performance
http://searchenginewatch.com/article/2159921/Refining-Your-Attribution-Model-to-Gain-Clarity-on-Media-Performance
上記の記事では、以下の4つのモデルを紹介し、均等配分モデルを応用したカスタムクレジットモデルについて、変数として利用する3つ要素を例として紹介しています。
<4つのアトリビューションモデル>
<3つの要素>
続いて、以下の例を使いながら、それぞれの要素を変更した際に、それぞれのタッチポイントがどのようにコンバージョン貢献度が変化するのかを例を挙げて説明しています。
この表では、縦に時間要素、メディア要素、エンゲージメント要素という各要素、横には(おそらく話を単純化するため)3つのタッチポイント並べています。まずは時間要素をすべてのタッチポイントに等しく配分し、コンバージョンから逆算して2日以上〜5日未満のタッチポイントは25%分の価値を割引き、5日以上前のタッチポイントには50%分を割り引いて配分しています。
続いてメディア要素はスタンダードバナーをベースとして考え、検索連動型広告には25%分の価値を上乗せ、大きなサイズのバナーには同様に10%分上乗せします。
エンゲージメントではクリックをビューの4倍として計算しているようです。このあたりは行なっている手法やチャネルによって色々設定が変更できそうですね。
結果、それぞれの要素を按分すると、最初のタッチポイントには22.1%、途中には23.8%、最後のタッチポイントには54.1パーセントの貢献度が割り振られます。
この表を見れば分かるとおり、各要素の重み付けは任意です。重み付けを変更すれば割り振られる貢献度はそれに応じて変化するわけで、結局のところ決めの問題かもしれません。ただ、購買サイクルの短い商材であれば時間要素を細かく設定すべきでしょうし、キャンペーンのメッセージを伝えることに重きを置いている場合はメディア要素の設定が変わると思います。当然これ以外にもどれだけ検索にパスしたかとか、コンバージョンには至らないけど来訪には寄与しているなど、カスタムクレジットに含める要素はキャンペーンや製品・サービスの特性に合わせて柔軟に設定すべきなんでしょうね。
実際、この記事でも時間要素を変更した例が記載されていますが、要素が多くなればなるほど、要素への重み付けが変われば変わるほど、最終的な貢献度も変化します。サイトへの来訪やコンバージョンなどに至る太いパスを見つけた上で、現実のユーザーフローにそった配分を見つけ、キャンペーンの重み付けやメディアプランニングに生かしていきたいですね!
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