世の中に登場してから早10年が経ち、ディスプレイネットワークやモバイルやYouTube やらとその守備範囲を拡大し複雑化を続けるGoogle AdWords ですが、すべての基本は今でも検索にあると思います。
AdWords の基本は、ユーザーの検索クエリ(情報ニーズ)に対して企業の適切な広告を掲示(情報提供)するしくみで、広告の反応に合わせて適切なレートで料金が加算されるシステムになっています。検索連動型広告の進化というのは、この適切な情報に対して適切に課金するために、情報提供の手段と課金システムの安定稼働とフェアネスの精度を担保するというところにその理由が収斂されていくように感じています。
ですので、ここ最近さまざまなかたちで提供されているAd extension(広告設定オプション)は企業の情報提供の手段の多様化と理解できますし、広告のフェアネスの精度を担保するために広告の順位付けや課金のしくみがあると思えば、その計算方法は頭に入りやすいのではないかと思います。
オーストリアのデジタルエージェンシーであるPulpMedia社が発表している "How Do Google AdWords Work?" というインフォグラフィックは、AdWords の基本である検索連動型広告のランキングの仕組みや課金方法、広告設定オプションの解説や簡単なチューニングの方法が一枚にまとまっています。基本に立ち返るという意味でとても大事ですし、きれいにまとまっていて図も多く分かりやすいので紹介します。
リンク:
How does Google AdWords really work?
Infographic by Pulpmedia Online Marketing
サッと眺めてみて、視覚的にとても分かりやすく作られていますね。
印刷して机の前に貼る、なんてのもいいかもしれません。
個人的にいいなと思った点は、以下の、実際の課金のしくみについて解説している部分です。
俗に「品質スコアが上がればCPC が下がる」と言われる根拠ですね。逆に品質スコアが低いと上限CPC に限りなく近い金額が加算されたり、順位が著しく下がったり、広告が出なくなったりします。
課金額の計算は AdWords を普段から使っている方なら常識のレベルでも、AdWords のヘルプの記述が以下のような曖昧な書き方になっていることもあって、意外とご存じない方もいると思います。
実際のクリック単価(クリックに対してお支払いいただく料金)は次のような仕組みで決定されます。
実際にお支払いいただく金額は、品質スコアと設定したクリック単価で獲得できる最上位の掲載順位に広告を表示するのに必要な最低限の金額となります。この金額を算出する際は、まず、お客様の広告の下に表示される広告の広告ランクが参照されます。その広告ランクを上回るために最低限必要な入札単価が、お支払いいただく料金となります(1 円単位で端数が切り上げられます)。
ちなみに、上記の図は簡略化されていて、実際は「直下の広告ランク ÷ 自分の品質スコア + 通貨の最小単位」になるので、最下位の広告以外は日本であれば1円、アメリカであれば1セント加算されます。
そこで、ボストンのSEMベンダーであるWordStream 社が作成したインフォグラフィックでは、このあたりがもう少しだけ細かく解説されているので併せて紹介します。
リンク:
How the AdWords Auction Works | WordStream
© 2011 WordStream - a certified AdWords partner.
なお余談ですが、Google が提供している AdWords の設定方法やしくみを解説した「AdWords スターターガイド(日本語)」という資料も分かりやすいので、はじめてAdWords を開始する方にはお勧めです。併せてどうぞ!
AdWords スターターガイド(PDFです)
http://www.google.co.jp/adwords/adwords_handbook.pdf
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